窓ガラスフィルム施工を依頼する前に。16の疑問と答え

窓ガラスフィルム(ウインドウフィルム)は、カーフィルムと建築用ガラスフィルムに分類されます。本記事は、建築用フィルムの施工を検討されている、もしくは知識を習得したい方への内容になります。

窓ガラスフィルムはガラスに施工することで、目隠しや遮熱、紫外線カットなど、様々な機能性を今ある窓ガラスに追加することができます。そんな便利な窓ガラスフィルムですが、商品や施工について詳しく紹介する情報源も少なく、細かな疑問を解決したり、どんな窓フィルムを施工すれば良いか悩んでいる方が多いかと思います。

今回は、そんな窓ガラスフィルム施工についての疑問をQ&A形式で解決していけるような内容を説明していきます。本記事は、年間300現場以上の現場経験、ガラスフィルムの国家資格者であり、窓ガラスフィルム専門店WindWith(運営会社3X)代表の小林太一が執筆&解説しています。

窓ガラスフィルム施工の主役はあなた。業者、商品選びが肝です。

まず、大前提としてお伝えしておきたいことがあります。結論からお伝えすると、窓フィルムを最終的に選ぶのはあなたです。窓ガラスフィルムを施工するにあたり、なぜ貼ろうとしているのか?その問題を解決するために窓フィルムを検討しているはずです。予算面や様々な誘惑により、この目的から脱線してしまうと窓フィルム施工は良い結果にならないことが多いです。この目的をしっかりと持ち、優先すべき点、妥協すべき点を選択しながらフィルムを選んでいくと良いです。

また、「どんな業者が、どの窓フィルムを施工するか」というのも非常に重要になります。どんな業者が良いのか?フィルムは具体的にどうやって選べば良いか?という疑問に関しては本編で詳しく解説させていいただきたいと思います。

窓ガラスフィルムにはどんな種類がある?各フィルムの効果は?

窓ガラスフィルムには様々な種類があります。どんな種類のフィルムがあるか、ざっくりと理解できるように、窓ガラスフィルムの種類と効果をわかりやすく表にまとました。目的に合ったフィルムがあるか確認してみましょう。

フィルムの種類特徴・目的
UVカットフィルムガラスの飛散防止
飛散防止フィルム紫外線99%カット
断熱フィルム暑さ対策、寒さ対策どちらも行いたい場合は断熱
遮熱フィルム暑さ対策のみを行いたい場合は遮熱
ミラーフィルム目隠し、暑さ対策を両立
目隠しフィルム目隠し対策。すりガラス調から、デザイン性のあるものまでバリエーション豊富
防虫フィルム紫外線を抑制し、光に寄ってくる虫を軽減
視界制御フィルム見る角度によって透明に見えたり、すりガラス状に見えたりする
防犯フィルム厚みのあるフィルムでガラスの貫通を防ぐ。災害対策にも有効
太陽光採光フィルム自然光の光の角度を調整。部屋の奥まで光を取り入れられる
調光フィルム必要に応じて透明・不透明を電子制御できるフィルム
カッティングシート切文字をガラスに貼ることができる
透明インクジェットシートオリジナル印刷を窓ガラスに施工
スクリーンフィルムプロジェクターを窓に投影
日射調整フィルム眩しさを対策、暑さ対策
親水性フィルム水滴をつきにくくするフィルム。お風呂のガラスや冷蔵ショーケースなど

窓ガラスフィルムはどうやって選べば良いですか?

窓ガラスフィルム選びにはステップがあります。それぞれのステップを順番に踏んでいくと良い商品選びができますので、参考にしてみてください。

1.目的を整理する

窓ガラスフィルムを施工する目的を明確にしましょう。「暑さ対策」「紫外線対策」など、考えをまとめて、優先順位を決めましょう。窓ガラスフィルムは機能性が増えれば増えるほど、予算が上がりますし、目的が多すぎる状況では、次のステップのフィルム選びがやりにくくなります。

2.施工会社に相談する

しっかりと目的を定めた上で、施工会社に依頼をしましょう。工務店・リフォーム会社に依頼する場合と、窓ガラスフィルム専門店に依頼する場合に分けて説明をさせていただきます。

工務店やリフォーム会社に依頼する場合

新築工事やリフォーム工事の最中で、全体のスケジュールやデザインをしっかりと把握しているデザイナーや担当者が必要な場合は、工務店やリフォーム会社への依頼がおすすめです。また、仲の良い担当者がいる場合、話をしやすいというメリットもあります。ただし、窓ガラスフィルムは施工できる職人が極端に少なく、通常は外注作業になります。中間マージンが発生しますので、コストは上がることが多いです。

窓ガラスフィルム施工専門店に依頼する場合

リフォーム工事等は行わず、窓ガラスフィルム施工のみを依頼する場合は窓ガラスフィルム施工専門店への依頼がおすすめです。また、新築・リフォーム工事でも透明なフィルムの施工する場合、意匠性に影響が出ないので専門店へ依頼したほうが品質が高く、自社施工のためコストも安くなります。

3.目的に合った商品があるか確認する

相談先の施工会社に窓ガラスフィルムを施工する目的、優先順位をしっかりと伝えましょう。商品が決まっている場合は指定しても良いですが、現地調査やメール・電話相談など、しっかりとコミュニケーションを取った上で提案してもらう方法がおすすめです。この提案が施工会社の腕の見せどころです。

4.窓ガラスフィルムのサンプルを確認する

窓ガラスフィルムを施工する前に、心配な場合はサンプルを確認しましょう。反射のあるフィルム、色付きフィルムなどは写真と実物がイメージと違う場合もあります。実際にフィルムを窓ガラスにあてて確認をするとイメージがつきやすいです。

窓ガラスフィルムはどんなメーカーが販売していますか?

代表的かつ情報を調べやすいメーカーを一覧表にしています。日本国内における窓ガラスフィルム業界シェアNo.1はスリーエムジャパンです。信頼性がありスリーエムより少し安価なメーカーがリンテック。装飾フィルムが豊富なサンゲツなど、メーカーによって得意不得意があります。情報収集には多大な時間を要しますので、こちらはあくまでも参考に。専門業者に相談することがおすすめです。

会社名ブランド名備考
スリーエムジャパン株式会社スコッチティント機能性フィルム(遮熱、紫外線カット、防犯などガラスの機能を追加するもの)
スリーエムジャパン株式会社ファサラ装飾フィルム(グラデーション、すりガラス調などの装飾系フィルム)
リンテック株式会社ウィンコス
株式会社サンゲツクレアス
リケンテクノス株式会社リベックス

施工会社はどうやって選べば良い?

施工会社を選定する上で参考になる要素をまとめました。

  • 「会社の実績」を確認しましょう。
  • 「資格を確認」しましょう。窓ガラスフィルム施工には、「ガラス用フィルム技能士」という資格があります。防犯フィルムを施工する場合、国家資格者が一定条件のもと施工することでCPマーク認定という防犯性能の国家認定を取得できます。
  • 「適正価格」の会社を選びましょう。安い工事費は魅力ですが、重要なのは提案の中身です。疑問があれば、なぜこの価格なのか質問してみましょう。
  • 「施工会社の社風や担当者と気が合うかどうか」は以外に重要です。商品選びや日程調整など、コミュニケーションが取りやすいほうが良い結果が出ます。
  • 「知識がある担当者」を選びましょう。専門的な内容にすぐに回答できない(回答方法がわからない)担当者は避けましょう。

どうすれば安く施工できますか?

窓ガラスフィルム施工専門店で、自社仕入れ・自社施工をしている会社に直接依頼しましょう。工務店やリフォーム会社、ポータルサイトなどを経由して依頼すると「中間マージン」が発生しますので、割高になります。信頼できそうな専門店に連絡を取り、検討してみましょう。

安さで決めるのは危険?

低価格で運営できるのは何故でしょう?原価を抑え、効率(回転率)を重視しているからです。もちろん企業努力もありますが、安い料金で運営している会社はつまづくと倒産してしまうというリスクもあります。安さには安さの理由がありますので、なぜ安いのか聞いてみることをおすすめします。

逆に高すぎる金額に気づく方法としては、メーカーが定める「設計施工価格(材料+工賃の定価)」を調べてみましょう。この設計施工価格のまま見積もりが出てきている場合は割高な可能性があります。通常は定価から10~60%割引して見積もりをする業者が多いようです。

相見積もりはしたほうが良い?

相見積もりをしても良いと思います。ただ、相見積もりの金額の安さだけで施工会社を判断することはやめたほうが良いと思います。料金はもちろん、実績・人柄・提案など様々な要素を総合して判断する方法がおすすめです。また、業者によっては「相見積もりの対策」で、原価を抑えるために、新入りの職人で対応したり、安い商品で原価をおさえる、手抜き工事で早く終わらせるなどということも可能性としてはあり得ます。業者間で価格競争をさせるようなことは避けたほうが良いです。価格ではなく、価値があるか?で選びましょう。

※WindWithではオンラインで、料金をシュミレーションをすることができます。誰にでも公平な料金が表示されますので、相場を知るためにも是非活用してみてください。会員登録不要、無料で使えます。料金シュミレーションはこちら

窓ガラスフィルムはどうやって施工しますか?

窓ガラスフィルムの施工方法は2種類あります。被着体やフィルムの種類等、状況により工法の使い分けを行います。

  • 水貼り工法(ウエット工法とも言います。通常の施工方法です)
  • ドライ貼り工法(凹凸ガラス、施工面積が小さい場合、水が使えない被着体等)

窓ガラスの熱割れをご存知ですか?

窓ガラスフィルムを施工することで、窓ガラスが割れる?答えは「割れる場合がある」です。熱割れは、ガラスの温められた部分と、サッシの中に入っている冷たい部分の温度差によって、ガラスが膨張による歪に耐えられなくなり、割れてしまう現象です。

熱を吸収する窓ガラスフィルムを施工すると、ガラスの熱吸収率が上がり、窓ガラスの熱割れが起こりやすくなります。この熱割れが起こるリスクがありますので、DIYで施工する場合は特に注意が必要です。施工会社に依頼すれば、熱割れ試算(熱割れリスクの判定)を行ってくれますので、施工の際には必ず活用しましょう。

※ガラスの熱割れは施工店やメーカーの保証対象外になることが通例です。判定◯☓は自動的に出ますが、その一歩先の熱割れリスクは実際どうなのか?という評価をしっかりと説明できる業者を選ぶことがポイントです。

ガラスの熱割れとは?なぜ起きるのかの原因と対策を解説

窓ガラスフィルムは室内側、屋外側どちらに貼りますか?

窓ガラスフィルムは基本的に室内側に施工します。屋外側に施工すると雨風にさらされることになるので、フィルムの寿命が短くなるためです。内側に施工することが難しい場合は、外貼りも可能ですが、外貼りをする場合は外貼り専用フィルムを使用します。外貼り専用フィルムは、内貼り用フィルムと比較し、接着剤や表面のコーティングが分厚く、強度が高いです。室内貼り用フィルムと比較し材料費は上がります。

フィルムの寿命(耐久年数)はどれくらい?

フィルムの耐久年数をわかりやすくまとめた表を作成しました。こちらの表はあくまでも参考で各メーカーの平均値ぐらいです。フィルムの耐用年数は、各メーカーが製品取り扱い説明書等で公表していますので、最終的にそちらから確認してください。

ガラス角度施工箇所耐久年数
垂直ガラス内貼り10~15年
垂直ガラス外貼り5~7年
傾斜・水平ガラス内貼り5~7年
傾斜・水平ガラス外貼り3~5年

窓ガラスフィルムの貼り替えは自分でできる?プロの依頼する?

窓ガラスフィルムの剥離は自分で少し剥がしてみて、綺麗に剥がれなかったり、剥がれにくいようであれば窓ガラスフィルム施工専門店に依頼しましょう。寿命が来たフィルムは傷んで粉々になったり、接着剤が水糊のように粘着質になったりと、剥離が難しいことが多いです。また、剥離のタイミングで貼替えを依頼することで、セット割引してくれる可能性も高くなります。

窓ガラスフィルムを施工した後、養生期間(入室不可)はありますか?

基本的に養生期間はありません。カッティングシートなど、弱粘着フィルムを水貼りする場合、冬季は当日中に接着しない場合があります。被着体やフィルムの種類により接着期間は異なりますので、不安な場合はメーカーや施工会社に確認しましょう。

ガラス交換とフィルム施工どちらが良いですか?メリット・デメリットは?

  • 窓ガラスフィルムを施工するメリットは、今ある窓ガラスに好きな機能を追加できることです。
  • 気密性を上げたい場合は、サッシ・窓ガラス交換がおすすめです。
窓ガラスフィルムペアガラス単板ガラス
耐久年数10~15年10~15年半永久
施工費2万円~6万円~2万円~
機能性遮熱、防犯など好きな機能を追加できる遮熱・断熱等機能なし
メリットガラスに好きな機能を追加できる。安い。断熱性が高い安い、長持ち

窓ガラスフィルム施工はDIYでもできる?窓ガラスフィルム専門店に依頼すると何が違う?

窓ガラスフィルムの施工はDIYでもできますが、1mを超える窓ガラスの場合は施工が難しく、シワができたりフィルムが折れたりするので窓フィルム専門店への依頼をおすすめします。窓ガラスフィルム職人は、毎日の施工で技術や経験を積んでいることはもちろん、専用道具や身体の使い方など、フィルムをスピーディーかつ綺麗に施工するために日々活動しています。(フィルム貼りに関しては最強です)シワができないことはもちろん、透明ガラスに無色透明のフィルムを施工する場合は、フィルムを貼ったことに気づかないぐらい綺麗に仕上がります。

  • 飛散防止フィルムに関しては、素人が施工すると完全密着せず効果が発揮できない場合があります
  • CPマーク認定(防犯性能の国家認定)を取得する場合、ガラス用フィルム技能士(窓フィルムの国家資格者)が施工を行う必要があります。
  • 色付きフィルムを施工する場合、エッジスペース(窓とフィルムの隙間)の調整が難しく、素人とプロでは大きな差が出ます。
  • 面積が大きな窓ガラスにフィルムを施工する場合、技術もさることながら専用道具がないと施工が難しいです。

窓ガラスフィルム施工の保証はどんなものがありますか?

窓ガラスフィルム施工会社の基本的な保証内容を紹介します。以下の内容を保証してくれる施工会社を選びましょう。メーカーの保証期間より長期間の製品保証を独自でつけている業者も稀にありますが、万が一の際に本当に保証できるかは疑問です。よく確認して選びましょう。

  • メーカー保証(最長5年間)
  • 損害保証(工事の際に万が一の事故やミスが起きたときの物損・人災事故への保証)
  • PL保険(施工不良によって起こった損害の賠償)
  • 施工保証(窓ガラスフィルムが被着物に密着するまで最長6ヶ月、その間に剥がれ等があった場合に貼り替えなど対応してくれるもの)

フィルムを施工した後のメンテナンスはどうすれば良いですか?

窓ガラスフィルムの劣化要因は、紫外線・湿気・温度になります。また、汚れがついた状態で放っておくと、汚れが落ちなくなる可能性もありますので、定期的に清掃することをおすすめします。

清掃方法は基本的には通常の窓ガラスと同じです。ただし、窓ガラスフィルムは窓ガラスと比較して表面が少し柔らかく、傷がつきやすいです。お手入れの際には、表面を中性洗剤を薄めた水などで流してから、ワイパーやマイクロファイバータオルを使って優しく清掃する方法が最適です。※強アルカリ、強酸性の洗剤、研磨剤はフィルムを痛めてしまいますので、使用不可です。

窓ガラスフィルムのメンテナンスには清掃が1番!劣化を防ぐ方法とは

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窓ガラスフィルム施工専門店WindWIth(ウインドウィズ)は、日本ガラスフィルム工事業協会会員3X(スリーエックス)が運営する個人・小規模法人向けの窓ガラスフィルム施工サービス。国家資格者(ガラス用フィルム技能士)が窓ガラスやフィルムの事などを、プロの目線で詳しく解説しています。

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