地震や台風などの災害対策に有効な窓ガラスフィルムとして、防犯フィルムや飛散防止フィルムがあります。どちらの商品も、売り文句として「災害対策に有効」ということを謳っています。まずは、防犯フィルムと飛散防止フィルムの違いから確認していきましょう。
窓ガラス用防犯フィルムと飛散防止フィルムの違いは?
防犯フィルムと飛散防止フィルムの大きな違いは、フィルムとガラスを接着する接着剤の強度、フィルムの厚みです。
防犯フィルムの特徴
防犯フィルムは、その名の通り防犯を目的に使用されるフィルムです。フィルム自体に厚みがあり、ハンマーなどによる打撃、バーナーなどの熱でガラスを割る焼き割りなどに対応しています。警察庁、国土交通省、経済産業省が定めるCPマーク(防犯性能の高い建材部品)という検査を受けている防犯フィルムは、窓ガラスへの侵入を5分以上防ぐ効果が認められています。災害対策においては、台風などの暴風での飛来物の侵入等を防ぐことができますので、災害対策には非常に有効なフィルムと言えます。また、窓ガラスの飛散防止(ガラス割れたときに散乱しない)効果もありますので、ガラスで怪我をするなどの二次災害を防いだり、避難時の避難ルート確保にも繋がります。
※防犯フィルムを施工することでガラスが割れないわけではなく、「強い衝撃でもガラスが抜け落ちづらい」ということがメリットになります。
防犯フィルムの概要
- 無色透明(目隠しタイプなど色付きのものもありますが、防犯のみが目的のフィルムは透明な商品が多いです)
- 厚みのあるフィルムで強い衝撃でもガラスが抜け落ちづらい。防犯、災害対策に有効。
- 通常の窓ガラスフィルムの5~10倍程度の厚みがあり、下敷きのように分厚い。
- 打撃による窓ガラスの抜けを防ぐ。バットで叩いても5分以上抜け落ちない商品もある。
- 窓ガラスの飛散防止効果で万が一のガラス割れの際の怪我などの二次災害を防ぐ
防犯フィルムのガラスの防犯・飛散防止効果を見てみましょう
こちらが実際に防犯フィルムを施工している窓ガラスが割れた写真になります。本来であれば、割れたガラスが室内に散乱しますが、防犯フィルムを施工しているので、ガラスが抜け落ちず、ほとんどガラスが床に落ちていませんでした。このケースでは、店舗に侵入しようとした人が、ハンマーなどの鈍器で思いっきりガラスを叩いて侵入しようとした形跡があるとのことです。また、これはおそらくプロの手口ということでした。(警察談)防犯フィルムを施工していることに、犯人が驚き、侵入を断念したことで、ガラスは割れてしまいましたが、犯行をあきらめてくれました。
台風対策でも、同じように飛来物で強い衝撃が加わることが想定されますので、防犯フィルムの施工あり、なしでは大きな差が生まれることがわかります。また、飛散防止効果のあり、なしでも結果は大きく変わります。
飛散防止フィルムの特徴
飛散防止フィルムは、ガラスの飛散を防止することを目的にしているフィルムです。防犯フィルムと比較すると、飛散防止フィルムは薄いフィルムになります。フィルムの厚みはμm(ミクロン)で表記されますが、防犯フィルムが約400μmに対し、飛散防止フィルムは約50~70μm程度です。窓ガラスに飛散防止フィルムを施工することで、万が一のガラス割れの際に、窓ガラスが飛散することを防ぐことができるので、災害対策としては有効なフィルムになります。ただし、わかりやすい例で言うと、台風時の飛来物(瓦が飛んでくる)等の、強い衝撃には耐えられない恐れがあります。また、地震の際には振動でガラスが割れる場合もあり、地震対策としても有効です。
飛散防止フィルムの概要
- 無色透明(飛散防止のみが目的のフィルムは透明な商品が多いです)
- 防犯フィルムと比較し、低コスト。手軽に災害対策ができます。
- 飛来物など強い衝撃に備える場合は、防犯フィルムを選んだほうが良い
- 窓ガラスの飛散防止効果で万が一のガラス割れの際の怪我などの二次災害を防ぐ
- 窓ガラスが割れた際に鋭利な破片が飛び散らないので、一般住宅から施設まで幅広く活用されている。
災害対策にはどんなフィルムを選べば良い?基準はある?
災害対策用の窓ガラスフィルムを選定する際のポイントは4つあります。
ガラスの飛散防止の基準JIS A 5759で定められる飛散防止試験をクリアしているか?
窓ガラスフィルムにはJIS(日本の産業製品を規格を定める日本工業規格という団体)の A 5759という番号の認定があります。JIS A 5759の1つとしてガラスの飛散防止効果の測定があります。窓ガラスフィルムを選定する際に、この測定試験をクリアし、飛散防止性能が担保されているかを確認することが重要です。試験をクリアしていないものでも同等性能が認められるものはありますが、確実に選択するのであれば、JIS規格の製品をおすすめします。
防犯フィルムはCPマークの有無を確認
防犯フィルムのCPマークの有無を確認しましょう。CPマーク無しの製品も多数ありますが、しっかりと商品の内容を精査しましょう。ご自身で判断することが難しいかと思いますので、問屋や専門業者に確認したほうが良いです。
防犯フィルムはCPマーク認定には条件がある
防犯フィルムのCPマーク製品を利用する場合、CPマーク認定というものを受けることができます。防犯フィルムにおいては、国家資格者(ガラス用フィルム技能士)が施工を行う、ガラスの厚みが◯mm以上などの取得な条件があります。国家資格者が施工を行うことが大前提になりますので、国家資格者(ガラス用フィルム技能士)が在籍している専門業者に依頼する必要があります。
防犯フィルムのCPマークは必要?防犯性能の違いと効果や注意点を解説
災害対策を完璧に行いたい場合は、防災フィルムの検討を
防災フィルムは、台風や竜巻などでの飛来物に加え、急激な気圧変化にも対策できる施工方法です。施工するフィルムは防犯フィルムですが、防犯フィルム施工後にフィルムをシーリング材(ガラスの外側のゴム)でガラスと一体化させる施工方法です。こちらの施工方法は国家資格者の中でも、ガラス用フィルム技能士1級で、なおかつ防災フィルム認定施工者が在籍している企業でないと施工することができません。また、認定が難しいので、まずは施工業者に相談をしてみましょう。
窓ガラスフィルム施工は自分でできる?業者に任せる?
飛散防止フィルムの施工は、器用な方であればご自身でできるかもしれません。ただし、高さが1mを超える窓ガラスに関しては、技術的に難しいので専門業者に依頼を行いましょう。※飛散防止フィルムは、シワがないように綺麗に施工しないと、窓ガラスとフィルムが密着せず飛散防止効果を発揮しません。自信がない場合は専門業者への依頼しましょう。
防犯フィルムの施工は専門業者に任せたほうが無難です。防犯フィルムは加工が難しく貼り付けるのにもコツが必要なので、個人では難しいです。また、防災フィルムに関しては、窓ガラスフィルム施工の国家資格であるガラス用フィルム技能士1級資格者が在籍している専門業者でないと施工ができません(防災フィルムの認定が降りない)ので、依頼が必須になります。
関西でガラスフィルム技能士1級、防災フィルム認定施工者在籍の専門業者をお探しの場合は、WindWith(ウインドウィズ)にご依頼ください。日本ガラスフィルム工事業協会所属、ガラス用フィルム技能士1級在籍で、確かな知識と技量で施工を行うことができます。また、会員登録不要で窓ガラスフィルムの料金シュミレーションができます。相談だけでも喜んで対応させて頂きますので、ぜひお気軽にお問い合せくださいませ。